ゆらたろすMSW研究

社会福祉の研究、社会問題の提起を一緒に考える

①MSW・ケアマネ・介護士が今さら聞けない用語シリーズ「FIM(フィム)」

こんにちは!こんばんわ!ゆらたろすです!

今回から「事例検討シリーズ」に加えて、「今さら聞けない用語シリーズ」も記事にしていきます!

第一回目は「FIM(フィム)」です!

※ここでは「FIM」の使い方を記事にするのではなく、MSWやケアマネ、介護士がなぜ「FIM」を知っておかなければならないのかを中心にお話ししていきます。

 

「FIM」とは

「FIM」とはFunctional Independence Measureの略であり、おそらく直訳では機能的自立度評価みたいな感じです。つまりADL(日常生活動作)の評価方法ですね。

1983年に開発されたADL評価方法で、介護負担度の評価が可能であり、ADL評価法の中でも妥当性が高いということで1990年代に日本でも導入されました。

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出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184198.pdf

 評価項目は運動項目認知項目に分かれており、最低18点~最高126点の点数によってADLを評価するものとなっています。点数が高いほうが自立度が高いと判断されます。

この評価方法では1点=介護時間1.6分と設定されており、110点で介護時間がほぼ0になるとのことです。また、1週間以内にFIMが10点以上低下する状態を「急性増悪」といえるとしています。

 しかし、疾患別に点数あたりの介護時間は変わると言われており、FIMの点数から正確な介護時間の算出が出来るかどうかは懐疑的な意見が多いですので、参考までに使うことにしましょう。

その他のADL評価方法を含めたまとめ

「FIM」

・日常的にしている動作についてのADL評価

・急性増悪の判定にも使える

・認知面の評価項目もある

 

「Barthel Index(バーセルインデックス)」

・身体測定時などでできる動作についてのADL評価

・評価項目が少なく判定が容易

 

「日常生活機能評価」

・看護量測定が中心のため、病棟看護師が多く使う

・採点基準が3段階であるため判定が容易

 

※日常的には判定が容易な方法を使って、より詳しく判定する際にFIMを使うなど各場面によって使い分けられている。

MSWやケアマネ、介護士が「FIM」を知っていなければならない理由

各職種が「FIM」を知っていなければならない理由を以下にまとめました。

 

・回復期MSW・・・

①回復期入院料にあるリハビリの「実績指数」に大きく関わるため

②在宅復帰時、ケアマネに入院から退院までの間にどれだけFIMが上がったか、また現状どれだけ介護を必要とするのかなどの情報を引継ぎやすいため。

 

・ケアマネ・・・

①病院から退院してくる際に、サマリーにFIM数が書いてある場合があり、ケアプラン作成において現状どれだけ介護を有するのか把握するため知っておく必要がある。

 

介護士・・・

①普段から日常的なケアに入る介護士だからこそ、FIMの点数の上下が把握しやすいため知っておく必要がある。FIMの急激な下降を認めた場合はすぐにケアマネに報告しなければならないし、FIMの上昇が認められる場合はケアプラン更新にも影響する。

 

以上が簡単にまとめた代表的な知っておくべき理由です。

回復期MSWの理由にあるリハビリの「実績指数」については後述しますが、パッとFIMの点数を見たり聞いたりして、大体どのくらいのADLの患者なのかが分かるようになっておくことが理想です。

急性期病院のMSWは「FIM」ってそんなに重要ではないの?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、重要なのは重要です。もちろん知っておかなければならないですが、急性期ではもっと疾患別部位ごとに詳しい評価法(MMTやNIHSSなど)で引継ぎを行うことが多い為、特に「FIM」を必要とするのは長期的にADLの変動を評価出来る回復期や在宅支援時とされています。

回復期MSWが意識すべきリハビリの「実績指数」

特に回復期MSWがFIMを日頃から意識しなければならない理由は、リハビリの「実績指数」というものがあるからです。

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出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184198.pdf

 元々、リハビリには「量」が求められてきましたが、近年の報酬改定によって「質」が求められるようになりました。その中でリハビリの「実績指数」が求められるようになりました。「実績指数」とは何かというと・・・

傷病名別の最大入院日数(脳疾患150日or180日、整形疾患90日など)の内、何日入院していたか?そして入院日から退院日までのリハビリで「FIM」がどれだけ上がったか?というのを数値で表したのが「実績指数」です。

この「実績指数」を高めるためには、短い入院期間でFIMを上げる必要がありますので、回復期のMSWは最大入院日数内に退院させればよいという簡単な考えでは通用しないのです。

※各回復期の入院料によって、求められる「実績指数」は違います。「実績指数」が入っていない回復期入院料もありますし、実績指数対象外患者の設定なども出来る決まりもあります。ぜひ自分の病院でクリアしなければならない「実績指数」について調べてみて下さい。

 

最後に

私の病院では、週一回のリハビリカンファレンスでFIMの上昇数の確認と退院時期の設定を行います。MSWはただ患者の退院支援だけに力を注ぐのではなく、病院入院料などの診療報酬とも照らし合わせて退院支援を進めることが専門職の力として重要になるでしょう。そして、地域との連携がより重要になってきている昨今、ケアマネや介護士にも医療的な専門知識が求められることが多くなってきていますのでこの機会に知ってもらえると幸いです。

では、また!